1. 木村泉先生/プログラミングシンポジウム
https://prosym.org/prosyncontents.html
1.1. 構造的プログラミングとその経験
1975年7月の3日間に 発足したばかりの筑波大学で行われた。 木村先生と筧捷彦、辻尚史の両氏が幹事を担当した。 エアコンが使えないため蒸し風呂状態の教室での講演・議論だった。 工事中のキャンパス内の教室だったが、宿舎は立派だった。
参加者46名の集合写真には木村先生手書きの名前表が添えられている。
1.2. ミニコン話
Hitac-10のシミュレータをFacom 230-45/S で動かしたという話を第16回../プログラミング・シンポジウム (1975) でされている。とても、楽しかった記憶がある。(自分はHitac-10に関してはエキスパートのつもりだった。) CAP/PTTでも拝聴したはずだが、記録には見当たらない。
- 「16. ミニコンピュータ用シミュレータの設計」 : 木村泉、飯島淳子、辻尚史 第16回 プログラミング・シンポジウム
島内剛一先生の「システムプログラムの実際」 (*)にあるシステムを「鑑賞する」のが目的だったと理解している。
- (*) サイエンス社、 昭和47年 4月 発行 (1972年)
システムの一部であるSPAというアセンブラの性能を改善した話がでてくる。
- アセンブル処理中でCPU時間をたくさん使っていたのが「名前表探索(順探索)」であった。 この探索作業をホスト呼び出し機能経由でF45Sの探索命令を使い高速化した、との話はいまも記憶に残っている。
ミニコンのシミュレータを中型機で動かすことの意味については、原著を読んで欲しい。 実機に触れることで得られるはずのものは得られないにしても、 シミュレータを動かすことの利点もある。(巨大なメモリとか、豊富な機器類など) デバッグにも有利だが、これは利点と呼べるかは分からない。
前野はHitac-10を直接触ることができたので、SPAなどの良さは体感していた。
1.3. ファイルシステムの調査
第17回(1976) プログラミング・シンポジウム
9 ファイルの内容に関する実例研究 木村 泉, 飯島淳子, 辻 尚史
スペース(コード)が多いという話をされた。
それに倣って、前野も総合情報処理センターのM-180でのファイル利用を調査した。驚きの結果を得た。 ディスク上のファイルと言っても、ほとんどが紙カード(1枚80桁)イメージのままだった。 これなら、末尾の空白を取り除くだけで、占有領域は半分以下になる。(コード圧縮しないでも) だが、コンパイラーが対応していなかった。対応してもらうのに何ヶ月もかかった。
メインフレームでは今後の変化に追従できないと思った。